(愛那は彼氏おるん?)


彰の唐突の質問に動揺する。


『今はいないよ?』


ほんとは好きな人いるんだよ?ずっと大


好きな人。


『好きな人おりおるゆーてなかった?』


ほんと茉南ちゃんは良く覚えてる。そこ


の記憶力は高いんだよね。


『みんなは?いないの?』


「いたら4人一緒に帰れないでしょ」


私は見逃さなかったよ?茉南ちゃんが彰


の方を見たことも翔くんの目線が私じゃ


ないことも。


『そっかー笑』


永遠の片想いでいい。そう思い続けるし


かないんだ。


駅から別々の電車に乗る。茉那ちゃんは


ちょうど来た電車に乗っていった。


『翔くんの電車きたよ?』


「んー、人待ってるからさ。」


待ってるのは女の子何だろうなー。


(茉南ー?帰ろ?)


彰に声をかけられて電車に乗る。



(翔が誰を待っとったか知りたい?)


彰は相変わらず人の事をよく見ている。


(小島沙里奈って言うんやで。まあ、あ


いつ彼氏おるんやけどな。)


翔も馬鹿やなーっていつもの笑顔。


『小島さんかー、ダンスしてたよね。』


(愛那はええん?好きなんやろ?)


彰、なんでそんなに悲しい顔をするの?


その言葉は聞いちゃいけない気がした。


(じゃあまた明日)


手を振って電車を降りていく。大人っぽ


くなった彰が少しだけカッコよく見えて


しまった。