「……確かに、樹生の言う通りかもしれないけど。それなら余計に栞ちゃんと話した方がいいんじゃないの?」


「ありがとう。でも、もう決めたんだ。栞には……会わない、って」


「……そっか。樹生がそこまで言うなら、俺はもうこれ以上、何も言わない。樹生のこと、応援するよ。でも頑張りすぎて、あんまり無理するなよ?」


「了解。……っていうか、今のって、俺がアキの彼女になったみたいだね?タマにヤキモチ妬かれちゃう」


「そこは、タマじゃなくてマリにしろよ……!」


「えー、何々!?俺のこと呼んだ!?」


「あっ、タマ!!もう補習終わったの!?」


「あったり前じゃーん。俺にかかればあんな補習なんか、おちゃのこさいさいで─── はい、残りのレポート。アッキー、手伝ってくれ!」


「結局、終わらなかったのかよ!!」



─── どんなに俺が身勝手でいようと、今日も相変わらず賑やかにいてくれる2人を見て、再び小さく笑みを零した。


あと数日、この2学期が終わってしまえば学校生活でこうして3人で過ごす時間も、ほぼなくなってしまうけれど。


間違いなく俺の高校生活は、この2人がいたから毎日が明るくて、幸せなものだったと自信を持って言える。