「一緒に帰ろうぜ」
日野ちゃんはじろりと俺を見た。
相変わらず冷たい視線。
「雨も降ってないのに?」
「……雨降ってなくたって一緒に帰ってもいいだろ」
「まあいいけどね。本当は嫌だけど」
教室の外の日野ちゃんは、相変わらず冷たい。
それでも日野ちゃんの隣を歩くことを許された俺は、それだけで機嫌が良くなる。
「日野雄大」
「はい」
「暑いからさ、」
「うん?」
「アイス奢って」
「お任せください」
この夏の暑さと日野ちゃんのアイス好きに感謝した。
小さくガッツポーズをして、日野ちゃんと二人、近くのコンビニへ。