「好きです、日野くん」


どうしてこう、告白というのはこんなにも裏庭が多いんだろう。


「ごめんね。気持ちは嬉しいんだけど」


いつもと同じ台詞を吐き出す。

きっとこの子も俺の本当の性格を知れば幻滅するだろう。
結局猫を被ってる俺の姿に惚れてるだけで、この子が好きなのは俺じゃない。


始業式が終わり掃除や二時間だけの授業も終わった放課後、帰ろうとしていた俺の足を止めたのは他クラスの女の子だった。

告白か。赤い頬と緊張した固い表情を目にして、そう分かってしまった。


いつも通りに断り、さっさと帰ろうと校庭を歩いていると、目の前を歩く日野ちゃんの背中が視界に入った。


「日野ちゃん!」


声をかけると、俺の方へ振り向いた日野ちゃんの隣まで駆け寄る。