「花房〜、体の方はもう大丈夫なのかぁ〜?」


「はい、おかげさまで…。」



私のクラスの担任はかなりだらしないようだ…。

髪は黒髪の天パでクルクルで、目が垂れて、高そうに見える黒いスーツにも煙草の匂いが微かにする。

胸元に見える白いシャツもアイロンはかけていないようでシワだらけだ。




「まぁ〜そんなに緊張せんでも楽にいけ、楽に〜。」



「はあ…。」




頼りない先生だ。
私はこれから大丈夫だろうか…。






「ーーと、ついたついた。ここが花房のクラスのA組なぁ〜。ちょっと外で待っとけぇ〜。」



「…はい。」





教室に先生が入ったところで、大きな歓声が上がる。きっと、私の事を話したのだろう。




「まじかよ! 花房さんって女だろー⁇」


「女だろーー⁉︎」


「あたしらはイケメンの男にかけるわよ!」




「まぁ〜、見たらわかる。花房〜入れ〜〜。」




こんなに入りにくいものなのかしら、教室って…。
せめて性別くらい言ってくださいよ…。



ーーガラララララッ。



希望の眼差しの中、申し訳なく私は入る。