慎の以外なモテさに目の当たりした私、美琴は、職員室に向かうまでも驚きでいっぱいだった。



一つは、慎に〝親友〟がいたコトだ。




「ーーおいおいおい、慎よー、…お前いつの間にそんな可愛い彼女できたんだよ……。裕太くん、ちょー悲しいぃ〜!!!」


そう言いながら慎に半泣きで飛びついてきた裕太と名乗る人。


髪は金髪で耳にはピアスが二個。
赤色と黄色のと光に反射して眩しい。


背は慎よりも高くて、抱きつかれた慎は重苦しそうに顔が青い。



「ばか、離れろ、暑い。それにこの子は俺の彼女じゃない!」




「まじかよっ!てっきりそうなのかと思ったよ!ビックリさせんなよなぁ〜〜…。」




「はぁ…。美琴、こいつは俺の友達の鈴木 昴(スズキ スバル)、それで昴、こっちは俺の幼馴染の花房美琴、身体が弱くて今まで学校を休んでたんだ。だから何か困っていたら助けてやってくれ。」



「へぇ〜、美琴ちゃんって言うんだ。俺は慎の唯一の友達であり、大大大親友のスバルだよっ!俺も美琴ちゃんって名前で呼ぶから美琴ちゃんもスバルて呼んでね!」



「は、はい、よろしくお願いします、スバル。」

軽くニコッと笑う。



「それじゃ、私は職員室に向かうので失礼します。」


「俺も行くよ、昴は先に行っててくれ。」



「……ああ。」




「……大丈夫か昴、顔が赤いぞ?熱でもあるんじゃ…。」


「いやっ!今日は暑いからさっ‼︎あは、あはははは‼︎さ、先、教室行ってるな!」



奇妙な笑い方をしながらスバルは去っていく。


「……面白い人ね。」


「普段はもう少し静かな奴なんですけどね…。」




そう言いながら私を職員室まで送る。



「それではお嬢様、唯意義な学校生活をお楽しみください。」



軽い笑みを浮かべて慎は去る。


ーーと思うと戻ってきて小さな紙を渡される。


「これに私のクラスと携帯番号、メールアドレスが記されています。もし何かあればご連絡一つしてくださればすぐにでも飛んで行きます!ですから……」


「もう、慎は心配性なんだから‼︎ 私だって子供じゃないわ!自分の事くらい自分でできます‼︎」



ここでもやはり木戸の悪い癖がでる。


まったく……。


この癖も早く治してやらないと…。