「「「お嬢様、おはようございます。」」」


私の朝は、使用人に挨拶されるところから始まる。




「おはよう。」




何気なく返せば、朝食の時間。


「お嬢様、もう少しゆっくりお食べくださいっ。」


「いーえ、今日は待ちに待った初登校日よ‼︎ゆっくりなんてしてられないわ。」





私は高校の入学式の前に倒れ、それから半年経った今、ようやく学校に通えれる。





「本当に行かれるのですか?まだやめることはできますよ?」



「そんなに心配しなくても、木戸の思ってるようなことなんておきないわよ。」





「……では、そろそろお時間ですので、お送りいたします。」




木戸はいつも心配性。

私が幼い頃から体が弱いせいでいつも世話をしているからか、何事も慎重にがモットーになっている。


でも年齢は私とそう違わないのに、なんでもできて私の親代わりのような、お兄ちゃんみたいな人だ。





「お車の準備が整いました。」



「あら?私は車で行くなんて言ってないわよ。」



「…えっ?」



「なんでいちいち木戸と同じ学校にしたと思ってるのよ!貴方がいつも歩いて学校まで行っているのは知っているのよ? だったら私も歩いて行くわ‼︎」




「ですが、お嬢様!!」




「学校まで、私を案内なさい木戸。」




「……承知しました。」