時田明音(トキタ アカネ)。


幼い頃からの幼馴染で、憎らしくも天パで短いチリチリ頭、俺とは2センチしか背の差がない。


だが、その飾らない性格には人を引き寄せる魔法みたいなものがある。



〝天真爛漫〟

その言葉が似合う奴は明音しかいない。
むしろ彼女の為にあるような言葉だ。




「時田さんですね、よろしくお願いします!」


「明音でいいよ♪」




「俺がいる事も忘れんなよなー……。」



スッカリ美琴ちゃんは明音ワールドに取り込まれている。



「俊なんかいった?」



「何でもないよ、もう行くぞ‼︎」





俺はドアを開ける。




チラッと後ろを見てみる。


女同士で話して笑いあって、楽しそうだ。


結果的にはこれで良かっただろう。


俺だけが案内していたら女子に反感をかってしまっていただろうから。




それが明音によってなくなった。




今も俺は、考えなしの能無にお手上げさ…。