オレはまだ……死んでない?

じゃあ、この体の冷たさは一体何……?

いくつもの疑問が後から後からわいてきて、聞きたくても言葉にならずただリツを見つめるだけ。

それに気づいたのかリツは私の頬をブニッとつまんだ。


「何がどうなってこうなっているのか、オレにもよくわからないんだけどさ。多分、意識を失う間際に結月の死んだような目が気になって、仕方なかったんだろうな」

「……どういう事?」


リツの言っている意味がわからなくて聞き返す。

やっと声が出たと思ったら、かすれた声だった。


「オレ、その先の交差点で一ヶ月前の雨の日、車にはねられたんだ」

「えっ……?」


この話、どこかで聞いたような……?


『月見沢総合病院の近くの交差点で先月、高校生が雨の中車にはねられたっていう事故もあったみたいだから……』


そうだ、春奈サンだ。