私の話を真面目に聞いているのかと怒鳴りたくなったけれど、リツの笑顔を見ていたら何も言えなくなってしまう。
そっと空を見上げて、私は目を見開いた。
スーッと星が流れて消えていくのが見えたからだ。
それもひとつじゃない。
何かに導かれるようにして、星がいくつも同時にスーッと流れて一瞬で消えていく。
美しいけれど儚くて、願いをかける事を忘れて、思わず見入ってしまう。
「星が降ってくるみたいだろ?」
「本当に……降ってくるみたい……」
リツの言う通り、こっちに向かって流れてくるものは星が降ってくるように見えて、言葉を失ってしまうほど。
星が降るなんて本当に乙女な事を言うんだね。
私は女の子だけどそんなロマンチックな表現、浮かばないよ。
「……この時間が止まればいいのに」
「ん?」
星を見上げながら、私はふとそうつぶやいた。