「結月はバラバラになっていた家族を繋ぐ事ができたんだろう?もうどこにも居場所がないって泣かなくても大丈夫だろ?」

「そんな事ない!リツがいたから私は頑張れたんだよ!リツが背中を押してくれたから……!」

「きっかけを作ったのはオレかもしれないけれど、動いたのは結月自身だよ」


小さな子どもをあやすように優しく語りかけるリツ。

聞き分けのない子どもみたいな扱いをしないで……。


「ねえ、結月。オレは結月の泣き顔なんて見たくないよ」

「誰のせいで泣いてると思ってんの……?!」

「ハハハ、オレのせいか」


笑うところじゃないのに、リツはのんきに笑っている。

そして、私の涙を指先でぬぐった。


「結月が笑ってくれないとオレは困るんだよ」

「この状況でよくそんな事……!」


反論しようとしたら、リツは何も言わずに空を指さした。