私は首を横に振りながら、リツを力いっぱい抱きしめた。

だけどそこにぬくもりを全く感じる事ができない。

ゾクッと私に悪寒が走る。


「リツ……?この前より体が冷えてるよ……?!」

「大丈夫。オレはあたたかさを感じてる」


不安になって顔をあげると、リツはやわらかい笑みを浮かべる。

だけどその笑顔が今すぐにでも消えてしまいそうなくらい、ひどく儚くて、私の胸が一層ズキズキと痛む。

そんな私の気持ちを悟ったのか、私の頬にそっと触れるリツ。

その手が愛おしくて、自分のを重ねた。

でもリツの手は氷のように冷たくて、やっぱり体温を感じない。


「ねえ、リツ……。本当に冷たいよ?」

「……やっぱり?」

「やっぱり?じゃないよ!もしかして、本当はリツ……」


幽霊なの?

そう聞こうとしたら、私の唇にリツが人差し指で触れて言葉を止められた。