「げん、じつ...?」


まさか、と後ろを振り返ると、呆れたように
眉をひそめる彼の姿。



「ばーか」


ピッと私のおでこにデコピンをすると、
樹はフッと優しい笑みをこぼす。



「お前が呼んだから来てやったけど?」


樹は私の頭に大きい手を置く。


「い、つ...」

「ぷっ。あはははは!何つー顔してんだよ!!金魚かよ!!」



私が驚いたように目を見開き、口をパクパク
させると、可笑しそうに笑った彼。


ーーーあ、私の、好きな笑顔。