警視庁の身分証を見せた途端
静まり返る会議室。


身分証を持った男は
会議室にいるすべての人間が黙り込んだのを


満足そうに見つめた後


ゆっくりと歩を進めた。


皆が恐れと疑問を持った目で見つめる中
男は悠然と会議室の中心に立ち


おもむろに口を開く。


「警視庁の身分証と言うものは
非常に効果のあるものですね。


ここに居る人間を
一瞬で黙らせたんですから。


さて


皆さんお察しの通り
私はある事件の捜査で


ここにやってきました」