俊介は少し苛ついた様子で
不審な男を見つめた。


「どちら様ですか?」


そう尋ねる俊介を見て
男はにやけた顔をさらに崩した。


「いやあ……ただの部外者ですよ」


そう言って笑う男を
俊介は腕を握って外に連れて行こうとする。


「部外者は立ち入り禁止です
出て行って……」


「こういう部外者なら
どうですか?出ていかなければ


なりませんかねぇ」

腕を引いて連れ出そうとした男が
懐から出した物を見て


フリーズする俊介。


警視庁。


男が懐から出した皮張りの
身分証にはそう書かれていた。