ガチャリと空いたドアの向こう。


ピリリと緊張した会議室には
似つかわしくない人影が一人。


にやけた笑いを浮かべた初老の男。


誰だろう?


会議室の中にいた
全員がそう思う。


俊介も誰だかわからず
その男に近づいていった。


「今は研修中です。
部外者の方は出て行ってもらえますでしょうか?」


柔らかな物腰で俊介は出ていくように
促すが


初老の男は
にやけた笑いを崩そうとせず


一向に出ていこうとしない。