湯船の中に真理子は浮かんでいた。


仰向けに浮かぶ真理子を
ひっくり返した時真理子と目が合った。


真理子の目は激情と呪怨に満ちた
目をしていた。


その目を思い出して
俊介はエクスタシーの頂点に達する。


もちろん会議室の中では
そんな様子は全く見せず


笑顔で新人を見つめているだけ。


でも俊介は亜美の首筋を
見た瞬間


「もう一度絞めたい……」


想いに駆られて
どうしようもなくなっていたのだ。



水に沈めて
首を絞めた瞬間に感じた


どうしようもないエクスタシーを
もう一度感じたい。


もう一度人の人生を終わらせて
嘲笑ってやりたい。


そして目の前には


絞めるのに
手ごろな首が一つ。


その首は自分が少し愛情を見せれば
すぐ言いなりになるだろう。


俊介がそう思って笑った瞬間
突然会議室の扉が開いた。