ぽつりぽつりと紡がれる言葉に俺は頭が沸騰しそうだった。

由里はただ笑って奏多を傷つけたんだろう。

それを君はどんな気持ちで聞いていたんだ?



「奏多…もう良い。話してくれてありがとう。」

「っぅ…た、くみさんっ」

「大丈夫、大丈夫…奏多は俺が守るから。何があっても傍にいるから大丈夫だ。」


こんなに小さい体に追わされた傷は大きいものなのかもしれない。
それでも、不謹慎だとわかってはいても嬉しかったのも事実。

由里の言葉に傷付いたのは君の心に俺がいるからだと、そう思うから。
それが、何よりも嬉しかった。


「奏多、由里は」

「拓海さん…今は聞きたくないっ、」

「あぁ、わかった。奏多が聞きたい時に話すよ、いつでも。」


それを君が望むなら。
君が望む事ならなんだって叶えてあげるから。


「好き…拓海さんがすき」

「俺も、奏多を愛してるよ。」


何度だって言う。
君が望むなら、何度だって言うから、


泣かないで、


俺に笑顔を見せてくれ。