「あったあった」


少し嬉しそうに言うと、ブレイクはマコに何かを差し出してきた。

何だろうと思い、見るとそれは袋に可愛らしくラッピングされたクッキーだった。

「え、でも、これ」

見る限り、誰かの手作りだ。

誰かが彼に向けて作ったお菓子を食べるわけにはいかないと思い、マコは首を左右に振る。

しかし、「いいんだ」と言って強引にそれを渡した。


「...本当に良いの?」


最後の確認としてもう一度聞くと、ブレイクは一瞬切なそうな顔をした後に「あぁ」と微笑んで答えた。

マコの手に乗せられた手作りのクッキー。

袋を結んでいるリボンを解き、クッキーを1つ手にすると、それをゆっくりと口に運んだ。


サクッ


フロアに響く、クッキーを食べる音。

甘い砂糖の味が口の中の隅々まで行き渡る。

しかし、焼きすぎたのかほんのりと苦味を感じる。

でも、このクッキーは一言で例えると。


「美味しい」


感情が込められているのを感じられ、とても美味しい。