「そのバトン、俺の妹が持ってたけど」

「そうなのか?!よかった!ぜひ貸してくれ!お前名前は?」

「響 爽太…」

「響。わりーな!よろしくたのむわ!じゃあな」

嵐のような先輩だな。まぁきらいじゃないけど…。

「ごめんね?爽太君」

「別に」

おれは妹に頼むだけだし謝られても困る。そう言おうかと思ったがさえぎられてしまった。

「だけど妹さんがバトンやってたなんて初めて聞いたよ」

「俺に妹がいるって聞いてたのか?…前の俺に…」

無意識に、前の、を強調してしまった。それに赤城は気づいたらしく、今の、を強調してきた。

「だけど知らないこともあるから。今の爽太君に教えてもらうねっ!」