「ね、欲張りでしよ?」
「ふはっ!お前馬鹿だな」
「へっ?」
「大抵の奴は俺が記憶ないのをいい事に俺に近づいて来て、冷たくすれば離れてくのに…」
「私は離れないよ!!つきまとってやる!!爽太君の記憶が戻っても戻らなくても!」
「…あぁ。じゃあ帰るから」
まだ冷たい。そう思った時爽太君は少し笑ってくれたように感じた。
「あ、うん!またね〜!!」
爽太君は片手を上げて答えてくれた。
「絵美ちゃん!」
「竜!」
「途中から見てたけどすごいな。」
「そんなことないよ!」
「俺も最初爽太君に冷たくされてたな」
「ええ?!そうなの?」
「あぁ。…絵美。頼むから絵美が傷付かないといけないようなことをするなよ」
竜…。竜が絵美って呼ぶ時は″忠告″だ。
「…うん。わかってるよ!ありがとっ」
竜はいつも私が竜に正論を突きつけるって言ったけど、竜の忠告はいつだって正しい。だからその通りしてた。
「じゃあ竜!またね!バイバァイ!」
私は竜に手を振り、家に帰る。