「それじゃあ…帰るね」
「…。おう。瀬乙女…ありがとなっ!」
「…うん!」
〜赤城 絵美奈side〜
「爽太君どこだろ〜」
うーん。サッカー部の部室なんて知らないし…
「…そ、爽太君!!」
「…あ?」
うっ。爽太君やっぱり前と違くて…
「…爽太君!私のこと覚えていますか?」
「覚えてねぇよ。てかそんなことくだらねぇこと聞くためにきたのかよ」
「くだらなくなんかないもん!!!」
「はぁ!?ちょ、あぁめんどくせぇ!」
私は目に涙がたまるのを感じた。けどグッとこらえた。
「…私、赤城絵美奈って言うの!昔の爽太君の友達です!よろしく!」
私は爽太君がかわいいって言ってくれた笑顔を涙をこらえながら見せた。
「うざい。だからなんなん?いちいち俺に近づくなっての!!」
…ああ…。そっか…。爽太君…
「…ごめんね…今だけ…昔の爽太君を、忘れるね…」
私は爽太君に聞こえないように呟く。
「私ね!欲張りなの!!」
「は?」
「だからね、私は人瀬 爽太君の友達だけど、響 爽太君の友達にもなりたいの!」