ダダダダダダダ
そういえば爽太君は何組だっけ?…長期間会わなかったことから4組から6組のどれかだと思う。
「うーん。手当たり次第に行きますか」
「あれ?絵美ちゃん?」
「竜!ねぇ竜って、爽太君が何組か知ってる?」
「…俺と同じクラス。5組」
「5組?!まだ爽太君いた?」
「爽太は部活行ったよ」
「部活?サッカー?!」
「ああ」
「そっかぁ」
「絵美ちゃん…。」
「ん?」
「爽太に近づかないでくれない?」
「え?」
「嫌なこと言ってるのはわかってる。けど爽太は記憶が戻ったって苦しむだけだと思う。だから絵美ちゃんが思い出させようとするなら…」
「竜…。…記憶が戻って苦しむのは爽太君だけど、記憶が戻らなくて苦しんでいるのも爽太君だと思う。記憶がもどったって、今ここに私達がいる。支えてあげられる。」
爽太君は記憶が戻るまでずっと苦しんでいなきゃいけない。もし、爽太君が記憶が戻ることを拒んでいるとしても。
「やっぱり私は、爽太君が大切だから」