ニッと笑いかけられ思わず目をそらしてしまう。

私が人付き合いが苦手で、なかなか積極的に話すことができないから、友達になりたいと言われても仕方ない気はする。

だけど、一緒に買い物に行ったくらいだし、私はもうすでに友達だと思ってたから、改めて友達になりたいと言われるのは嬉しいけど悲しくて。


「…私達って、友達じゃなかったの?」

この時ばかりは素直になって、そんな質問をしてみた。

1つ選んだお菓子の封を開ける手が止まる。

ジッと私を見る目がかすかに紅く揺れる。

「私達もう友達だった?美乃ちゃんがそう言うなら友達だった!」

そう嬉しそうにふふっと笑っていた。

そうしてお菓子の封を開けなおすと、私との席の間において、

「一緒に食べよ。これ、期間限定だったんだよ〜」

そう言いながら、1つつかんで私の口に押し込んだ。

噛むたびに甘じょっぱい味が口の中に広がっていく。