そういえば、バスレクがない代わりにお菓子を食べてていいっていうルールだった。

お菓子を持ってきていいって、小学生の遠足じゃないんだからとは思うけど、バスレク代わりなら仕方ない。

ちなみにバスレクがない理由は、吉野さんの提案したから、らしい。


お菓子を広げながら、どれがいいかなと迷っている吉野さんを横目に、

「なんでわざわざ私の隣に来たの?」

ふと思ったことを聞いてみる。

吉野さんの膝の上には、すでにいろんなお菓子が広がっていて、滑り落ちそうなそれらを落とさないようにしながら私を見た。


「んー、友達になりたいから?」

その言葉に、ドキッとした。

そういえば班で自己紹介をした時、私と仲良くなりたいと言ってくれたっけ。

そんなことを考えながら、吉野さんを見ると、通路越しにいる城田くんと目があった。