私もセンスがあるわけではないから、絶対にこれなら大丈夫とは言い切れないんだけど、吉野さんは気に入ってくれたみたいで。

「それ可愛い!買ってくるね!」

そう言って嬉しそうにレジへとかけていった。


他の店も見ながら歩き回る。

たまに吉野さんがいい感じの服を見つけてきては、私に合わせて悩んでる。

…私の服じゃなくて、吉野さんの服を買いに来たはずなんだけど。

そんなことを考えながら、吉野さんの服を選んでいく。


そんな中、吉野さんがふとアクセサリーショップの前で立ち止まって、

「ねえ、おもしろそう、見ていこう!」

そんなことを言いながら私の腕を引いた。

私には似合わない可愛らしいお店に抵抗を感じたが、意外と強い力にそのまま引きずり込まれていく。