それは、翌日の朝、吉野さんが挨拶してきたので昨日のお礼を言った時だった。
「だからね、買い物についてきてくれないかな?」
両手を合わせて必死にお願いしてくる吉野さんが、ね、と上目遣いをしてくる。
吉野さんいわく、野外活動のための服を買いたいのだが、あまりファッションセンスがないため私にも選んでほしいそうだ。
「…私も、オシャレとか分かんないんですけど…」
そう言って断ろうともしたが、吉野さんはとりあえずついてきてくれればいいらしく、
2回も助けてもらったお礼もあるし、買い物くらいならついていくことにした。
「じゃあ、土曜日、午前11時に学校近くの公園の時計の下で」
ニコッと笑った吉野さんは、私とそんな約束をした後、荷物を置きに席に向かった。
どうやら、お昼ご飯を一緒に食べてから買い物に行くらしい。
そういえば、今来たところだったっけ。