城田くんが割り込んだことで、平山さんは一歩ひいた。

「責めるなら白雪さんじゃなくて俺の方でしょ」

違うの?と問いかけた城田くんに、さすがに言い返せなかったのか、

「ウザっ、よってたかってこんな女庇って馬鹿じゃないの?」

そんな捨て台詞を吐いて去っていく。


嵐が去った、という言葉がピッタリだと感じる空気が流れる。

一度静まり返った教室内には、今度は吉野さんに対する歓声がわきあがった。

そうして次に、平山さんたちに対する非難の声が聞こえてきた。


さっきまで私の悪口を言ってたくせに、吉野さんの噂をしてたくせに、すっかりそれをなかったことにして。