引き立て役の言葉が分からないのか首を傾げた吉野さんは、少しの間考え込んだ。

そうして、彼女の中で何かを結論付けて、

「私は純粋に、白雪さんと仲良くなりたいだけだよ?」

えへへと私に笑いかけてきた。


無邪気な笑みとその言葉に嬉しくて頬が熱を帯びていく。

視線を床へとそらすと、吉野さんはいきなり立ち上がり私の後ろに回った。

そうして後ろからギュッと抱きしめてくる。


「…あの、私、濡れてる…」

制服が濡れたら悪いと思って慌ててそう言うけれど、吉野さんは構わずより強く抱きしめる。