その日は土曜日で、久しぶりに朝から翔也くんの元を訪ねることにした。
相変わらずベッドの上で笑う翔也くんの笑顔はどこか力なくて、ヒヤリとする。
嫌な予感だったのかもしれない。
でも、私はそれを嫌な予感だとは思わなかった。
私の思い過ごしだと言い聞かせるばかりだった。
「翔也くん翔也くん、今日はとても良い報告があるのです」
改まる私に、翔也くんはキョトンとしてから首を傾げた。
翔也くんの髪がサラリと揺れる。
「あのね、私、親友ができたんだ」
思ったよりもすんなりとは出てこない言葉を、スッと吐き出す。
私がそう言った瞬間、翔也くんは目を大きく見開いて、それからニコリと笑った。
優しくて儚いふわふわとした笑顔を浮かべて、私に笑いかけてくれる。
「それは、良かったな」
伸ばされた手は、すぐ側に座っていた私の頭に触れた。