美麗先輩は戸惑いながらもみひろんの手を握り返して、
「上風 美麗です、よろしく」
綺麗にニコリと笑いかけた。
綺麗だけど幼さの残る可愛らしいみひろんと、大人っぽくて美しい美麗先輩。
なんか私1人だけ場違いな気もするけど、気にしちゃあ負けかな。
「あ、ねえ、ここにいる全員名前に美の字がはいってるよ」
すごい偶然と嬉しそうにはしゃぐみひろんに言われて考えると、確かにみんな美の字がはいっている。
「美乃だけ、読み方が違うけどね」
意地悪くニッと笑う美麗先輩に、真似してニッと笑うみひろん。
すっかり溶け込んでしまって、なんだか体がポカポカとしてくる。
からかう2人にムッとすると、美麗先輩はははっと笑って私の頭をなでた。
「でも、素敵な名前だよ」
優しい声で、そう言いながら。