そんなこと言われたことないから嬉しくて、と聞こえるか否かの小さな声でそう言った。
「別に、本当のことを言ったまでですよ」
お礼を言われるまでじゃないと謙遜するも、先輩はそんなことないと笑った。
「…それで、こんな性格だから友達がいなくて、だから、白雪さんと友達になりたいなって」
そう言って先輩は私に手を差し伸べてきた。
その手を、遠慮気味に掴んで握手をする。
「こ、こちらこそよろしくお願いします…」
先輩が美人だから、友達になるのにもなんだか緊張してしまう。
みひろんと話した時と同じような感じだろう。
みひろんとも今はあんな感じだし、そのうちきっと、慣れるだろう。
「ありがとう。私のことは美麗って呼んでくれて構わないから」
そうは言われても、もちろん呼び捨てするわけにはいかなくて。
「美麗、先輩…?」
先輩を付けて呼ぶと、少し不満げな顔をしてから、まあいいかと笑った。
「うん、よろしくね、美乃」
ふんわりと笑う美麗先輩の笑顔は、やっぱりすごく綺麗だ。