誰かの言葉に納得していると、先程の美人な先輩が「それに、」と付け足す。

「迷惑なのもあるけど、いつも側にいる人が会いに行った方が彼も安心できるでしょう?」

笑顔も浮かべないまま、冷たい目でそう言っていたけれど、すごく嬉しい言葉だった。

翔也くんの側にいて私は翔也くんを安心させられる。

そんな、ちょっとしたことだけど、特別な存在だと言われてるみたいで嬉しかった。


「そうですね、任せてください!」

元気よくそう言うと、その先輩は持っていたジュースを私に押し付けて「じゃあ」と去っていった。


「あの人、冷たいよね」

「冷酷人間って感じ。ああいう人にはあまり話しかけないほうがいいよ、きっと」

周りの先輩方はそう言って私に忠告みたいなことをしてくる。

陰口とそう大差ない言葉に、ムッとしてから、私はその先輩の背中を見た。

しゃんとしてて、すごくかっこいい。