逃げれるなら逃げてしまいところだが、今回は逃げないでみようかな。

唇で弧を描いてそう思うと、ふと振り返ったみひろんと目があった。

そうしてみひろんはトントンと机を指差した。

自分の机を見てみると、ちょっと勉強にと開いたノートが目に止まる。

これが、どうしたというのだろうか。

疑問に思い首を傾げてみひろんを見ると、ニコッと笑いかけそれっきり前を向いてしまった。

…何だったのだろう。

疑問に思いながらもう一度ノートに目をやると、サラサラと文字が浮かび上がってきた。

『今日の放課後にしよう。 美尋』

その文だけで、言いたいことはだいたい察せた。計画を今日の放課後に実行するということだろう。

みひろんはこちらを向くことなく、何やら消しゴムで消していた。

まさかと思いノートを見ると、綺麗に文が消えていく。

…みひろんが魔法少女であることを、つくづく思い出させる。