ぼんやりとした意識の中、みひろんの手に浮かぶ薄い水色の光が見えた。
多分あれが、コピーされた記憶というやつなのだろう。
「これで携帯から見れるからね」
光が携帯の中に吸い込まれていったあと、みひろんはそう言って得意げに笑った。
そうして試しに携帯の動画を再生してみせて、誰かが撮っているように見えることを証明してくれた。
すごい、の一言に限る。
マジマジとそれを見ていると、みひろんはニコリと笑った。
そうして私をもう一度抱きしめると、
「美乃ちゃんはもう1人じゃないんだから、遠慮なく私を頼ってね」
優しく優しくそう声をかけてきた。
暖かくて泣きそうになるのをこらえながら、コクコクと頷く。
みひろんのぬくもりを、もう少しだけ感じていたいと思った。