とりあえずみひろんには家の前で待っていてもらい、

お母さんに友達が来たことを伝えると、招き入れることを快く受け入れてくれた。

むしろ、招き入れなければ怒られそうな勢いである。

家に上げると、迎えてくれたお母さんにみひろんは頭を下げていた。

「礼儀の正しい子ね。美乃ちゃんがお世話になってます」

お母さんがそんなことを言いながら頭を下げるから、私もついつい下げてしまう。

…だって、お母さんの言ったとおり本当にお世話になっているし。

みひろんがこちらこそと頭を下げたのを見てから、私はみひろんを部屋に招く。

友達と呼べるような人を部屋に連れてきたのは、多分小学生以来だろう。

中学時代はみんな部活で忙しかったし、友達はいたけれど遊んだりはしなかった。