どういうことだと言いたげに首を傾げると、みひろんはまた私の隣に並んで歩き出した。

「私の魔法で、美乃ちゃんのイジメられた記憶を私の携帯にコピーするの。

んーとね、カメラ付きのペンを胸ポケットに入れていたことにしよう!」

まるで物語でも考えるように、淡々と設定を考えていくみひろん。

そうしてお得意の魔法とやらでカメラ付きのペンを手の上に出すと、コロコロと転がしてから私に手渡した。

「ここを外すと、USB接続ができるの。

ここに入ってたデータについて、美乃ちゃんが私に相談してきたから、私がパソコンに入れて自分の携帯に移したってことで」

これでいこう!と言って少しドヤ顔をするみひろんに、そうだねのつもりで笑いかける。

私のためにここまで考えてくれることが嬉しかった。

どうしてそんなにポンポンと考えが浮かんでくるのか、不思議だけど尊敬したし心強かった。