決して大きな声ではないけれど、近くの人には聞こえてしまう声。

驚いて静川さんの顔を見ると、相変わらずニヤニヤと憎たらしいほどの笑みを浮かべていた。

「いやね、よっちゃんが病気じゃないのは知ってるよ」

クスクスと、どこからか笑い声が聞こえてきた。

チラリと見ると、すぐ近くに友梨さんたちがいた。

相変わらずだなと思いながらも、無視して静川さんの方を向く。

「それが、どうかしましたか」

冷たく言って、睨むようにして見ると、静川さんは生意気だと呟いて私の太ももにシャーペンを刺す。

「誰かのさ、お見舞いに行ってるんでしょ?」

耳元で、静川さんがそう囁いた。