いるんだよ、と言いながら、城田くんはポリポリと頬をかいた。
それを見ながらクスクスと笑うと、ふと気付かなかった声が聞こえてきて。
すっかり聞いてなかったけど、他の人は私が髪を切ったことに文句を言っていた。
似合ってないのかなと不安になったりするけれど、大丈夫だと自分に言い聞かせた。
似合わなくないよ、と言い聞かせた。
それから少しして、みひろんが登校してきて、私には挨拶だけして席に行ってしまった。
城田くんには、ボソッと何か耳打ちをして。
顔を赤くした城田くん越しにみひろんを見ると、集まってきた人たちと会話をし始めていて。
「あいつ、意外と性格悪いよな」
何を言われたのか文句を言う城田くんに、
「そんなことないよ」
と返してニコリと笑い、みひろんの方を見た。