本当にどうでもいいことなんだけど、吉野さんの話は面白くって。
逆に私からお菓子をあげることもあったし、頑張って話をすることもあった。
吉野さんは相当な箱入り娘というか、そんなに難しくない話のはずなのに、いろいろ聞いてきてくれた。
なんというか、横文字が苦手みたいで、略語を使うとほぼ100%意味を聞いてくる。
一々分かりやすいように考えて答えるのは大変だけど、それだけ私の話に興味を持ってくれていると分かって嬉しかった。
隣が静川さんじゃなくて、吉野さんが静川さんを説得してくれて本当に良かった。
野外活動、吉野さんがいなかったらきっと仮病使ってでも休んでたかもしれなかったから、来てよかったのかなと思ったりもした。
まだ始まったばかりだから、一概に良かったとは言えないんだけど。
「わぁ、山!美乃ちゃん、すごい近いよ」
私越しに窓の外を指差しながら、私の体をさする吉野さん。