私が美味しいというと、吉野さんは嬉しそうに笑いながら自分でも食べる。

「みひろん、席変わって〜。てか菓子ちょうだい」

通路越しに手を伸ばす城田くんを一度見た吉野さんは、ふいっと私の方を向いてからもう一度城田くんを見て、あっかんべーをしてやっていた。

ムッと頬を膨らました城田くんは、みひろんズルいなんて喚いていて、

こうして誰かに取り合われることもなかったから、すごくすごく嬉しかった、なんていうのは内緒。


「吉野さん、その服買い物行った時のやつだよね」

私が気付いてそう言うと、吉野さんはそうなんだと嬉しそうに笑った。

友達発言から吉野さんはすごく機嫌が良くって、お菓子を分けてくれたりいろんな話をしてくれた。

といっても、役に立つ話とかじゃなくて、どうでもいい世間話。