れみのことが好きなのに、れみをただ一途に想ってるのに、


こうやって好きでもない女と付き合う。



俺って本当に最低だな。







「じゃあな」



22時過ぎ、成美のマンションの前、恒例の軽いキスをして言った。



「陸…」


チラチラと俺を見る成美。



「ん?どした?」



「まだ一緒にいたい…」



真っ赤な顔で俺を見上げる成美。


こんなの男だったらイチコロだ。


ホテル直行だ。



でも俺はおかしいのかもしれない。


こんなときも今目の前にいるのがれみだったら、とか、

今言った言葉をれみから言われたら俺はどうなるんだろう、とか、



そんなことばっか考えて、



成美の頭に手を乗せて、ポンポンとする。



「ごめんな。明日早くから予定あって」