「どした?なんかあった?」


まぁ、なんとなく予想はついてるんだけど。

どうせ彼氏と別れたとか、そんなことだろう。



れみの頭をポンポンと撫でながら聞く。




「彼氏に振られたよ〜…っ」



予想的中。



「そっか…。つらかったな」



ポンポン、とまた頭を撫でる。

れみが顔を上げる。



れみの顔は涙で化粧もぐちゃぐちゃ。


だけどそれを可愛いって思っちゃうんだから…本当に重症。



そう、俺は中学の時からずっとれみのことが好きなんだ。


れみは全く気づいてないけどな。

本当に報われねぇよ。



「陸〜…」


「お前さっきから陸陸ってばっかだな」



「だって陸は陸だもん」



それはちょっと意味わかんねぇな。



「はいはい…。てか、とりあえず服着させてくれ。さみぃ」



パンツとスウェットのズボンだけ履いてる俺。

季節は冬真っ只中だ。

脱衣場にはエアコンついてないし寒い。


湯冷めする。



「あっ…ごめん。向こうで待ってるね」



れみは涙をぐいっと手でぬぐって、脱衣場を出ていった。