「あ~あ、やっぱりタウイの言うとおりになっちゃったな~」

「ほら言っただろ。あやつは抑えきることはないと」

 この声...。

「リオン、タウイ!?お前らー」

 廊下の向こう側からすっと現れる。
 にやにやしながら、近づいてきた。

「あっれ~、なんだよかったじゃんシオン。ほんと最悪だよこれでタウイの勝ちがきまっちゃったし」

「うむ、おめでとう。これで我にパフェとやらをおごってもらうとするか」

 まりあはあわあわと顔を引きつらせている。
 こいつら、俺らで賭けやがったな。

 一発ずつ殴ってやる....。

「いでっ!何だよ照れるなよ~」

「おだっ!?何故だ!?祝福したではないか!」

 こいつら...。
 もう一発ずつ殴ってやろうか...。

「...そうだよ。おめでと、シオン」

 リオン...。

 震える拳を抑える。
 タウイがふと不可思議なことを言い始めた。

「ところで、ずっとまりあ殿の御そばにおられるのは、国王ではないか?」

「...あ?」