ちらっと上を見上げる。

「...え私が?なに?」

 やばい。
 俺今顔赤くなってないか?
 まりあの腕を引っ張って強引にでも抱き寄せる。
 柔らかい、甘いいい匂い。

「...うるせぇ」

 まりあの肩に顔を埋める。
 正直こんな怖いと思ったことはない。悪魔なのに情けないよな。

「は、はぁ?」

 まりあの温かい体温。
 脈打つ鼓動が耳元まで聞こえそうだ。

「...お前、あったけーな」

「しおん――...?」

 もう衝動が抑えきれなかった。
 こいつを、まりあを抱きしめる。
 離れると、まりあと目が合った――。

 俺は―――...。