「な、なにするのよ!いきなりキスするなんてあんた最低っっね!!」

 涙目で真っ赤な顔して俺に突っかかるまりあが、可愛いくて。
 キスされたことを拭いさろうと必死に唇を擦る。

 ....痛ぇ。
 なんだよ、キーキー騒ぐなよこのボケ女。

「なんだよ。キスしちゃ悪かったのか?お前俺のこと好きだろ」

「なっ....」

 ますます顔が赤くなる。
 暗闇でもわかるほどに。

 こいつ、一体なんなんだよ。

「...はぁ...」

「な、なんでためいきつくのよ」

 暗闇の廊下に二人、しかも文化祭で。
 こんなシチュエーション最悪だろ。

 がしがしっと頭をかきながら腰を低くした。
 顔が、見られないように下に向けて。

「....俺、お前が――」

「...へ....」

 俺が?