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「さあ、入って」

学長室は学校の一番最上階である5階にあった。
大きく茶色い上品な扉だ。

グブラさんの指示に従って学長室に入る。


「そこに座ればいいわ」

指定は……黒いソファー。
なにやら長い話になりそうだ。

「さて、改めて」

座って早々グブラさんが口を開く。

「カルツァール大学校へようこそ。
ザラ・リクニティカルくん」

カルツァール大学校。
元の名はカルツァール戦闘隊育成特別支援学校。
確かクーデターが起こった直後に戦闘隊育成特別支援というのを大に言いくるめて大学校へと名を変えた特殊な学校。

「ここはあなたが知ってるように預かった生徒を鍛えるようなもんな学校よ」

「はい。ある程度は調べているので知っています。女の子が主だと聞いてますが?」

「そうよ。……ところで」

……!
なに……この、背筋に走る寒気は……。

それにグブラさんの目付きが怪しいような……。