樹side

 今日は3人の女子に呼び出された。1人はクッキーの奴。2人目は喋りたいだけだったらしい。3人目は告ってきやがった。

 樹「はあ…」
 秋「ため息なんかついて、また告られたのか?」
 樹「まあな…」
 秋「くっそ!なんで樹は、こんなにモテてんだよ!?」

 (俺だって、知りてーよ。)

 俺からは、この茶髪のせいか、チャラいイメージが離れない。だから俺は女好きを演じる。だからといって、女好きと思われても困る。

 「ガラララッ」「はーい早く席についてーー」

 担任が来て、話はそこで終わった。担任は陽子先生。まあまあ、美人。

 「…あれ、秋人君の隣は休みですか??」

 ホントだ。秋人の隣は誰もいねえ。俺の隣は、クラスの人数が奇数だった関係で、もとからいねえんだったっけ?

 「あいつ、朝子犬抱いて、走ってたぜ?」

 誰かが言った。

 「いや、お婆さんに道聞かれてるの見たけど?」

 (いやもうどんなんだよ!)

 秋人をこっそり見てみた。あいつは、クスクス笑ってた。珍しいな。その日、そいつは来なかった。