樹side

 樹「ありがとう!マジ嬉しい!」

 「よかった~樹にあげたら喜ぶがなあって思ったら!」

 樹「超嬉しいって!!」

 
 廊下で俺に話しかけてきた女の子が、俺にクッキーを渡して、教室に入っていった。秋人は、呆れ顔で、どこかに行った。

 (あの子誰だっけ。)

 最近、というか中2の春くらいから、俺は急にモテだした。バスケ部に入ったからだ。
 それくらいの頃から俺は、本音が言えなくなっていた。特に女子に。

 (もらっても、困るんだよなあ…こうゆうの。)

 
 「まあいっか…」

 そう言いながら、丁寧にラッピングされたクッキーの袋を、カバンに突っ込んだ。