「じゃあ今日はもう暗くなるし帰りなさい。
またいつでも遊びに来るんだよ?」
「はい。」
「桃花のこと送ってくる」
私はそうして愛斗の家をでた
「桃花、ありがとう」
「いや、私何もしてないよ?
彼女のふりしてって言われたけど愛斗が彼女じゃないって言っちゃったし」
「親に嘘つくのは悪いかなって思えてきた
けど、マジで桃花のこと俺の女にするつもりだから
覚悟しとけよ?」
「しないよ」
彼女になんかなる気ないもんね。
「もーもか。」
「なに?」
「キスしていい?」
こいつは一体なんなんだろうか。
「無理に決まってるでしょ?
馬鹿なの?」
「桃花の前では馬鹿だよ。」
そう言って私の頬にキスを落とした
「は!?
だめって言ったよね!?」
「好きなんだからしょーがねーじゃん」
「私は好きじゃないから!」
それからはあっとゆう間に家について、愛斗はもう一度私にお礼を言って帰って行った
愛斗。
愛斗のお父さんとお母さんが最近愛斗が明るくなったのは私のおかげって言っていたけど、私も同じだよ?
愛斗と友達になってから笑顔が増えたんだよ
ーーーー
「桃ちゃん、補習頑張ってね
補習が終わったらいっぱい遊ぼうね!」
「どうしよう、私頑張れる気がしない…」
夏休み直前
私は殺人宣言…ではなく補習を言い渡された
実はこの学校にもギリギリで合格したぐらいだと思う
「お前だけだぞ?
全教科赤点のやつは
夏休みみっちりしごいてやるから覚悟しとけ」
宣言されたときは先生のことを殴りたい衝動に駆られた
「桃ちゃんなら大丈夫だよ」
私のことを励ましている愛菜はクラスのトップ。
学年でも毎回10位以内はキープしている
「愛菜が羨ましすぎて仕方がない」
「私は桃ちゃんの方が羨ましいよ!
顔も美人だしスタイルもいいし!」
「愛菜に言われたら嫌味にしか聞こえないよ」
「そんなことないよ」
補習補習補習補習補習
補習なんて誰がつくったんだろうか
会ってみたいもんだよ…
ーミーンミーンミーン
家の外に出ればセミの鳴き声が聞こえる
それに加えこの暑さ
私は夏が嫌いだ
なのにどうしてこの季節に補習なんかあるんだろう。
私は進まない足を進めて学校へと向かった
「桃花…?」
え…まさか私と同じ補習なの…?
「愛斗?」
私に声をかけてきたのは愛斗だった
「おはよ
桃花も補習だったのか?」
「うん
5教科赤点は私だけだって怒鳴られたよ」
「ははは
5教科赤点ってどうやってこの学校に入ったのか聞いてみたいよ」
愛斗。憎たらしすぎる…
「1回黙れないの?」
「けど受かってくれて嬉しいよ」
「何様なの?」
「桃花と同じ学校になれるなんて俺にとったら本気で嬉しいことだから」
愛斗はどうしてそんなに素直に思ったことを言えるのかわからない。
「それはそれはどうも」
「俺真剣に言ってるんだけど」
「ふーん」
教室に入ってみたら、私たちしかいなくて、補習は2人だって知らされた
ーーーー
「どうしよう…
私この生活があと4日間続くなんて考えられないよ。」
「ははは」
補習は1教科5時間
1日ずつ違う教科をするから私はあと4日間も補習がある
愛斗は3教科補習で、2日目と3日目はなくて、4日目と5日目にまた来る
2日間ないだけで大きな違いだよ…
「あと16時間って何考えてるんだろうね。
先生たち絶対おかしいよ!?」
「最終日パフェ食べに行く?」
「パフェ!?」
パフェは私の大好物。
「桃花パフェ好きだろ?
お前の友達の桐沢から聞いたら教えてくれた」
…まさかわざわざ聞いてくれたの?
「ありがとう」
「ん。」